2023/08/19
ビクセンAP赤道儀の自動導入化&テスト遠征
今更感のある機材ネタです。ビクセンAP赤道儀をOnStepを使って自動導入化してみました。経緯は、お手軽な眼視&電視観望用の架台としてAZ-GTiを使っていましたが、DCモーターの動作音や純正アプリの不安定さなどに嫌気がきて、やはりステッピングモーターを使ったお手軽機材が恋しくなりました、当初は、中古元祖ポラリエやポラリエUで検討していたのですが、入手手続きの際にいろいろありまして、気が付いたら、星空雲台としても利用でき、かつ、自動導入化も視野に入れられるAP赤道儀が届いていました笑。
OnStep化を実施するにあたり、以下のような方針を立てました。
1)ビクセン純正モーターは高価だし、小さくてトルクがなく高速化が見込めないようなので、別途安価なステッピングモーターを用意する。
2)お手軽な眼視&電視観望用なので、高精度は求めない。
3)モーター装着用のブラケットは、3Dプリンタで印刷する。
4)コントロール回路はなるべく既製品を使用する。
結局、モーターは中華製の2000円弱のNEMA14ステッピングモーター、タイミングプーリーでギア減速比2を構成、コントロール基板はのりきゅうさんのESP32用基板、モータードライバはTMC2130で1/64マイクロステップ、の組み合わせとなりました。
モーターブラケットはこんな形です。3Dプリンターが小さくて、縦横高さが10cm角しか印刷できないため、円形の左側部分は省略しています。

モーターを取り付けたら、赤緯体ユニットの穴を利用して位置合わせし、手動モジュールで挟み込みます。

モーターと手動モジュールの微動軸との間の壁厚を調整して、タイミングベルトでピッタリと固定しており、掴んでゆすってもビクともしません。ちなみに、モーターブラケットは数回印刷し直しています。

コントロール基板は、のりきゅうさんのESP32基板です。のりきゅうさん、いつもありがとうございます。m(_ _)m

自動導入の動作風景です。多分、ホームポジションからアークトゥルスを導入しているところです。

自動導入化にあたり悩んだ点は、NEMA14の安価なモーターでも導入時のトルクはかなり出るようで700倍速程度なら脱調もありませんが、減速比が小さく、マイクロステップが細かいせいか、通常のトラッキング時にベルト滑りが出ることがあります。トラッキング時の電流値を調整することで、バランスが大きく崩れていない限り大丈夫になりました。良く調べてみると面白いことに、東側が重い時は大丈夫で、西側が重い時に発生しています。単なるトルク不足、ではないようです。
あと、ESP32ボードを使用したメリットは追加モジュールなしでBluetoothが使えることですが、なぜかWindows11にアップグレードしたノートPCのみ、ASCOMドライバーで接続できない現象が発生しました。Windows10に戻したり、ASCOMプラットホームアプリをダウングレードしたり、OnStepドライバーを入れ替えたりしましたが、回復せず。別途Windows11をPCを入手して試したみたところ、そちらでも発生したので、OnStepコントローラー側が原因と推測し、結局、Wikiに記載のあったとおり、Arduino IDEのESP32ライブラリーを古いversion1.0.4にしたら、あっさり接続できるようになりました。
お盆休み前の台風接近する天気の中の晴れ間を狙って、自宅で電子観望を試したら、導入も追尾も問題なさそうだったので、ようやくastroGPVが真っ黒になった8/17に、大月方面の公園に遠征してテストしてきました。コロナ前から遠征はご無沙汰だったので、本当に久しぶりでした。

雲が多めで高湿度の夜でした。一時、雷で雲が光るときもあり、少々戸惑いました。

薄いながらも、久しぶりに天の川を見ました。久しぶりの遠征で、撮影風景などは取り忘れましたが、星空案内人の大先輩が遊びに来てくれました。暗い駐車場にひとりきりだったので助かりました。本当にありがとうございました。

KOWA500mm+ASI533MCでのM31です。写角に収まりませんでした。露出時間13秒で10分間ライブスタックしています。追尾精度もまずまずのようです。

同じくM33です。眼視では本当に淡くて、良く見えませんね。

同じくM27です。

今後は、星空雲台仕様で試してみたいと思っています。